1873年に岩倉具視の欧米視察団によって、日本に持ち込まれて以来、多くの人に愛され続けているスコッチウイスキーが「オールドパー」です。
今回は、オールドパーの種類とそれぞれの味わい、おすすめの飲み方を紹介します。また、歴史や製法などを解説します。
Contents
オールドパーの種類
オールドパーの種類を紹介します。種類ごとに味わいが異なるので、それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。※ここでは終売品も含めて紹介しています。
オールドパーの種類一覧
| 商品 | 種類 | アルコール 度数 | 容量 | 価格帯 | |
|---|---|---|---|---|---|
| | オールドパー シルバー | ブレンデッド | 40% | 750ml | 約3,000円 |
| | オールドパー 12年 | ブレンデッド | 40% | 750ml | 3,500円~ |
| | オールドパー 18年 | ブレンデッド | 40% | 750ml | 約9,000円 |
| | オールドパースーペリア | ブレンデッド | 43% | 750ml | 約13,000円 |
| | オールドパー クラシック 18年 | ブレンデッド | 46% | 750ml | 約21,000円 |
| | オールドパー エリザベス | ブレンデッド | 43% | - | - |
オールドパー シルバー

| 原産国 | イギリス |
|---|---|
| 種類 | ブレンデッド |
| アルコール度数 | 40% |
| 容量 | 750ml |
| 価格帯 | 約3,000円 |
「オールドパー シルバー」は、2015年に日本市場限定の商品として登場しました(九州地区のみ2014年先行発売)。ノンエイジで現在のオールドパーのスタンダードな位置づけとなっています。
柑橘系や蜂蜜、バニラのような甘い香りと、キレの良い後味とかすかにスモーキーな余韻が特徴です。
オールドパー 12年

| 原産国 | イギリス |
|---|---|
| 種類 | ブレンデッド |
| アルコール度数 | 40% |
| 容量 | 750ml |
| 価格帯 | 3,500円~ |
「オールドパー 12年」は、日本で最も長く愛されているブレンデッドウイスキーです。ゴールドのラベルに「AGED12YEASRS」の文字が目印。
12年以上熟成させたモルト原酒だけをブレンドすることで生まれる、上品な甘い香りとバランスの良い柔らかな味わい、奥行きのあるスモーキーな余韻が特徴です。
オールドパー 18年

| 原産国 | イギリス |
|---|---|
| 種類 | ブレンデッド |
| アルコール度数 | 40% |
| 容量 | 750ml |
| 価格帯 | 約9,000円 |
「オールドパー 18年」は、2019年11月に発売されました。オールドパーのマスターブレンダーであるクレイグ・ワレス氏は、「オールドパー 18年」をオールドパー史上で最高のバランスを実現したと語っています。
シルバー、12年と統一感のあるボトルとラベルデザインで、黒のラベルが目印です。
18年以上熟成させたボトル原酒のみをブレンドしていて、モルトの甘さと芳醇なバニラの香り、滑らかな舌触りと長い余韻が特徴です。
オールドパースーペリア

| 原産国 | イギリス |
|---|---|
| 種類 | ブレンデッド |
| アルコール度数 | 43% |
| 容量 | 750ml |
| 価格帯 | 約13,000円 |
「オールドパースーペリア」は1989年に発売されました。「スーペリア」とは「高級な」「上級な」という意味です。熟成年数にこだわらずに厳選された貴重な原酒を、マスターブレンダーの熟練した技術でブレンドした逸品。
熟したフルーツとほのかな潮の香りとスモーキーな余韻が、長く続く奥深い華やかな味わいが特徴です。
オールドパー クラシック 18年

| 原産国 | イギリス |
|---|---|
| 種類 | ブレンデッド |
| アルコール度数 | 46% |
| 容量 | 750ml |
| 価格帯 | 約21,000円 |
「オールドパー クラシック 18年」は、2004年に発売。現在は販売終了となっていますが、インターネットショップなどでは、プレミア価格で販売されていることがあります。
オールドパーの商品ラインナップの中では、アルコール度数が46%もあり力強い味わいがあります。
数多く所有しているモルト原酒の中から、クラシック18年に相応しいものだけを9種類厳選してヴァッティング。1930年代の伝統的な製法に忠実に従って、冷却濾過によらない濾過方法で造られています。
オールドパー エリザベス

| 原産国 | イギリス |
|---|---|
| 種類 | ブレンデッド |
| アルコール度数 | 43% |
| 容量 | - |
| 価格帯 | - |
「オールドパー エリザベス」は、1990年にエリザベス女王一世の即位450周年を記念して特別に作られた限定品です。
当時のマスターブレンダーだったモーリーン・ロビンソン氏が、30年以上熟成させた秘蔵のモルト原酒の中から厳選して、特別にブレンドしたプレミアムなウイスキーです。
熟練の職人が作るベネチアン風手吹きガラスのボトルに詰められていて、限定品の証としてシリアルナンバーが刻まれています。
また、ボトルには名前の由来となった「トーマス・パー」の他に、エリザベス一世、ヘンリー八世、ショージ一世の三人のイギリス国王の肖像画が描かれています。そのボトルの形状からコレクターの間では高値で取引されている超レアなオールドパーです。
オールドパーおすすめの飲み方
ここでは、オールドパーおすすめの飲み方を紹介します。
ハイボール

「オールドパーシルバー」は、ハイボールで飲むのがおすすめです。ソーダで割ることで、フレッシュな香りが強調されます。
- グラスいっぱいに氷を入れます。
- ウイスキーを適量注ぎます。
- マドラーでしっかり混ぜ、ウイスキーを冷やします。
- ソーダを氷にあてないよう注ぎます。(ウイスキー1:ソーダ3~4)
- マドラーをタテに1回混ぜます。
- 完成。
水割り

「オールドパー12年」は、加水してもバランスが崩れないため水割りで飲むのがおすすめ。和食との相性が良いので食中酒にぴったりのウイスキーです。
- グラスいっぱいに氷を入れます。
- ウイスキーを適量注ぎます。
- ミネラルウォーターを注ぎます。(ウイスキー1:天然水2~2.5)
- マドラーでしっかり混ぜます。
- 完成。
ロック

「オールドパー18年」は、ロックで飲むと氷が溶けるに従って変化する味と香りが楽しめます。
- グラスに大きめの氷を入れます。
- ウイスキーを適量注ぎます。
- マドラーで軽く混ぜます。
- 完成。
※ロックを飲むときは、チェイサーを用意しましょう。
オールドパーについて
ブレンデッドスコッチウイスキーを代表するオールドパーは、110年を超える長い歴史と伝統を持つウイスキーです。
オールドパーの歴史
「オールドパー」を世に送り出したのは、イギリスロンドンで1871年に創業した「グリーンリースブラザーズ社」でした。19世紀末には、アレクサンダー・マクドナルド社と合併して、その後ディアジオ社の傘下になっています。
日本に入ってきたのは1873年で、岩倉具視が特命全権大使として参加した欧米視察団が、持ち帰ってきて、明治天皇に献上したと言われています。
オールドパーの名前の由来
「オールドパー」の名前の由来となったのは、152歳まで生きたと言われるイギリス史上最長寿の人物「トーマス・パー」(1635年没)。
当時のイギリスでは、彼の名前を知らない人はいないと言われるほど有名で、国王チャールズ1世にも拝謁しています。
「トーマス・パー」は、オールド・トム・パー (Old Tom Parr)と呼ばれており、創業者のグリーンリース兄弟は、最高のブレンド技術で完成させたこのスコッチウイスキーを後世に末永く届けたいという願いを込めて、オールドパーと名づけました。
今もボトルのラベルには、トーマス・パーの肖像が描かれています。
多くの政治家や財界人に愛された理由
オールドパーは、1873年に岩倉具視の欧米視察団によって日本に持ち帰られます。
明治天皇に献上されたオールドパーは、内閣総理大臣の吉田茂や田中角栄、作家の池波正太郎など、数々の政治家や昭和の著名人に愛飲されたウイスキーとして有名です。
その理由は、他のウイスキーでは味わえない深い味わいはもちろんですが、独特のボトルの形状。
オールドパーのボトルは、中身のウイスキーの量にかかわらず、斜めに傾けても倒れないポイントがあります。
この倒れそうで倒れない様子が、「決して倒れない」「右肩上がり」といったイメージとなったのでしょう。
ボトルに見るオールドパーの伝統
オールドパーのボトルの表面には、ひび割れのような独特の模様が入っています。これは、「クラックルパターン」と言われるもので、ガラスのボトルの前に主に使われていた陶器のボトルをイメージしたものです。
この「クラックルパターン」と傾けても倒れない独特のボトルの形状は、オールドパーの誕生の当初から今も受け継がれている伝統です。
オールドパーの製法
オールドパーは、ブレンデッドウイスキーで、そのキーモルトとなっているのは、ブレンドモルトとして高く評価されている「クラガンモア」のモルト原酒です。
クラガンモアは、スペイサイド地域南西部にある蒸留所で、ここで造られるモルト原酒が、オールドパーのまろやかな口当たりと、フルーツのような甘い香りのベースとなっています。
まとめ
多くの政治家や財界人、文筆家などに愛されてきた「オールドパー」は、2018年にデザインを一新したことで、新たなファンを増やしています。
近年のウイスキーブームでは、シングルモルトウイスキーが人気ですが、歴史を感じながら最高のブレンデッドウイスキーを楽しんでみてはいかがでしょうか。

















