「傾いた斜面の大岩」という意味をもつタリスカー。
荒れた環境にある蒸溜所で作られており、独自のスパイシーさと潮気を感じさせます。それに加えて、どっしりとした甘みが魅力的なスコッチウイスキーです。
今回は、タリスカーの種類とそれぞれの味わい、おすすめの飲み方を紹介します。また、歴史や製法などを解説します。
タリスカーの種類
タリスカーの種類を紹介します。種類ごとに味わいが異なるので、それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。※ここでは終売品も含めて紹介しています。
タリスカーの種類一覧
商品 | 種類 | アルコール 度数 | 容量 | 価格帯 | |
---|---|---|---|---|---|
![]() | タリスカー 10年 | シングルモルト | 45.8% | 700ml | 約4,000円 |
![]() | タリスカー ストーム | シングルモルト | 45.8% | 700ml | 約5,000円 |
![]() | タリスカー ポートリー | シングルモルト | 45.8% | 700ml | 約5,000円 |
![]() | タリスカー 18年 | シングルモルト | 45.8% | 700ml | 約12,000円 |
![]() | リスカー 25年 | シングルモルト | 45.8% | 700ml | - |
![]() | タリスカー 30年 | シングルモルト | 45.8% | 700ml | - |
![]() | タリスカー ディスティラーズ エディション | シングルモルト | 45.8% | 700ml | - |
タリスカー 10年

原産国 | イギリス |
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種類 | シングルモルト |
アルコール度数 | 45.8% |
容量 | 700ml |
価格帯 | 約4,000円 |
「タリスカー 10年」は、熟成年数10年以上の原酒をヴァッティングして造られたタリスカーのスタンダートボトルです。
「King of Drinks(酒の王様)」と呼ばれることもあります。
スモーキーな香りとドライフルーツや塩キャラメルのような風味、さらには黒胡椒のようなスパイシーな余韻が特徴です。
お値段も比較的リーズナブルなので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
タリスカー ストーム

原産国 | イギリス |
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種類 | シングルモルト |
アルコール度数 | 45.8% |
容量 | 700ml |
価格帯 | 約5,000円 |
「タリスカー ストーム」は、まさにスカイ島の自然や荒れた天候を表現しているようなワイルドなボトルです。
タリスカーに備わる潮の香りや黒胡椒のようなスパイシーさがより強調され、口に入れた瞬間、爆発的な味わいを感じることができます。
ところが、時間が経つにつれ、豊かな甘みやスモーキーさが徐々にあらわれ、バランスのとれた上品な味わいが口の中に広がっていくことでしょう。
タリスカーの理想ともいえる味わいをぜひ堪能してみてください。
タリスカー ポートリー

原産国 | イギリス |
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種類 | シングルモルト |
アルコール度数 | 45.8% |
容量 | 700ml |
価格帯 | 約5,000円 |
「タリスカー ポートリー」は、バーボン樽で3年以上熟成させた原酒をポートワイン樽で追加熟成させて造られたボトルです。
ポートリーというボトル名は、スカイ島の港町の名前から来ています。
スモーキーさが抑えられ、ポートワイン樽由来のベリーの上品な甘い香りや焼きリンゴのようなフルーティさを感じることができます。また、タリスカー特有のスパイシーさを十分に感じることができるでしょう。
甘さと刺激が絶妙にマッチした他にはない1本です。
タリスカー 18年

原産国 | イギリス |
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種類 | シングルモルト |
アルコール度数 | 45.8% |
容量 | 700ml |
価格帯 | 約12,000円 |
「タリスカー 18年」は、2007年に「世界一のシングルモルト」と評価された歴史的なボトルです。
熟成年数18年を超える長期熟成された原酒をヴァッティングして造られています。
口に入れるとハチミツのような甘みが広がり、その後、タリスカー特有のスパイシーさが顔を出してきます。また、かすかなスモーキー香があり、全体的に温かい味わいを感じることができるでしょう。
いつまでも続くかのような長い余韻も魅力的です。
タリスカー 25年

原産国 | イギリス |
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種類 | シングルモルト |
アルコール度数 | 45.8% |
容量 | 700ml |
価格帯 | - |
「タリスカー 25年」は、1万樽に1樽とも言われるほど希少な原酒をヴァッティングして造られたボトルです。
もともとは不定期に発売されていたのですが、現在は、安定して長期熟成樽を確保できるようになり、年に1度の定期発売となりました。
長期熟成による濃厚でやさしい甘みに加え、タリスカー特有のスパイシーさを存分に味わうことができます。また、奥深い樽香もじっくりと感じられるでしょう。
複雑で深みのある味わいがクセになる1本です。
タリスカー 30年

原産国 | イギリス |
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種類 | シングルモルト |
アルコール度数 | 45.8% |
容量 | 700ml |
価格帯 | - |
「タリスカー 30年」は、発売されているタリスカーの中で最も長期熟成されているボトルです。
こちらも非常に希少なため、年1度の少数発売となっています。
タリスカー特有の刺激はかなり抑えられ、熟成感が強いのが特徴的です。また、非常にソフトな口当たりに加え、口に含むとほんのりと潮気を感じられるでしょう。
全体的に温かみのある上品な長期熟成ウイスキーです。
タリスカー ディスティラーズ エディション

原産国 | イギリス |
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種類 | シングルモルト |
アルコール度数 | 45.8% |
容量 | 700ml |
価格帯 | - |
「タリスカー ディスティラーズ エディション」は、シェリー酒の一種であるアモロソカスクで2段熟成させて造られたボトルです。
2段階熟成により、甘みと豊かさを実現したシングルモルトとなっています。シャープな香りとローストしたモルトを感じさせるようなドライさが特徴的です。
また、年に1度、バッチ1回分の蒸溜しか行なわれないので、常に供給が足りないという状態にあります。
高級感もあり、希少性もあるので贈り物にふさわしいボトルと言えるでしょう。
タリスカーおすすめの飲み方
タリスカーは、ややクセの強いスモーキーさとスパイシーな風味が特徴的。
ウイスキーを飲み慣れた方であれば、どのような飲み方でも楽しめます。ただし、初心者の方やウイスキーのクセが苦手な方は、ハイボールがオススメでしょう。
では、タリスカーのおすすめの飲み方を紹介します。
ストレート

ストレートは、タリスカー本来の風味を存分に味わいたいという方にオススメの飲み方です。
特に熟成年数が18年以上のタリスカーはストレートで飲むとよいでしょう。
また、ストレートで飲む時にはチェイサーを用意するといいですね。一口ごとに新鮮な味わいを楽しむことができます。
ロック

ロックは、氷が溶けるたびに変化するタリスカーの味わいを楽しみたい方にオススメの飲み方です。
氷が溶けることで加水され、甘味が際立ちます。
使用する氷は、小さなものだと溶けやすいので、溶けにくい大きめの氷を使います。できれば表面積の少ない丸い氷がおすすめです。
- グラスに大きめの氷を入れます。
- ウイスキーを適量注ぎます。
- マドラーで軽く混ぜます。
- 完成。
タリスカー スパイシーハイボール

タリスカー スパイシーハイボールは、タリスカーならではの個性を味わい尽くしたいという方にオススメの飲み方です。
もちろん、普通のハイボールでもおいしいです。
ただ、黒胡椒をトッピングすることでスパイシーさを際立て、食中酒としても最適なハイボールとなります。
- グラスいっぱいに氷を入れます。
- マドラーでよくかき混ぜてグラスを冷やします。溶けた氷の水は捨てます。
- 「タリスカー10年」もしくは「タリスカー ストーム」を適量注ぎます。
- ソーダを氷に当てないよう注ぎます。(ウイスキー1:ソーダ2~3)
- マドラーでグラスの底から氷を持ち上げるように1回だけ混ぜます。
- お好みで粗挽きの黒胡椒を振りかけます。
- 完成。
タリスカーについて

タリスカーとは、ディアジオ社が販売するシングルモルトウイスキーです。
蒸溜所があるスカイ島は、荒天時にはかなり強い風が吹き、強い波が打ち付けてきます。また、霧で覆われることが多く、ミスト・アイランドとも呼ばれています。
このような荒れた環境で造られるため、タリスカーには他のウイスキーにはない個性があるのです。
では、タリスカーの歴史や特徴、製法について解説していきます。
タリスカーの歴史
タリスカー創業者はヒュー・マカスキルとケネス・マカスキルの兄弟。
マカスキル兄弟がスカイ島にきたのは1827年。スカイ島に羊を運ぶ仕事をしていました。
その後、1830年にロッホ・ハーポートという汽水湖に面したカーボストに「タリスカー蒸溜所」を設立します。
当時のスカイ島では、農場の副業として数十の蒸溜所が稼働していたようです。
1840年頃には、アイルランド発のじゃがいも飢饉がスコットランドまで広がり、タリスカー蒸溜所が地域の人々の救済に奮闘します。他にも、大恐慌や第二次世界大戦、火災などさまざまな試練を乗り越えてきました。
ウイスキー造りの熱い情熱を持ったマカスキル兄弟の想いは、時を超えて引き継がれています。そしてタリスカー蒸溜所は、多くの人に愛され続けるウイスキーを生み出し続けているのです。
タリスカーの特徴
タリスカー最大の特徴は、独特な香りと味わいをバランスよく感じられることです。
黒胡椒のようなスパイシーさとスモーキーさを兼ね備え、独特な香りを感じさせます。さらに、どっしりとした甘い余韻とドライフルーツのような酸味をバランス良く味わうことができます。
バランスは良いのですが、「舌の上で爆発するような強い胡椒味」と言われるだけあって、なかなかクセの強いウイスキーです。
ただ、飲んでいるとカッコ良い銘柄の1つなので、バーで男らしさを出していきたいという方は、ぜひ挑戦してみてください。
タリスカーの製法
タリスカーは、ブラジル産のパラニア松で作られた「ウォッシュバック」という発酵槽を使用し、通常50時間程度のところ、タリスカー蒸溜所では70時間かけて発酵されています。
所有しているウォッシュバックは、1基につき55,000リットルの容量を持ち、全部で6基です。
発酵が完了したら、「ポットスチル」という単式蒸溜器を使って、2回の蒸溜をします。元々は3回の蒸溜をしていたのですが、モルトの風味を活かすには2回が良いという結論に至ったようです。
発酵後は、北米産のアメリカンオーク樽に入れて熟成させていきます。
そして、ボトルに詰められ、完成です。
最近は新しいラインナップとして、ポートワイン樽に入れて熟成させたボトルも販売されています。
まとめ
タリスカーは、かなりクセの強いウイスキーです。舌にのったときの胡椒のスパイス感やスモーキーさはかなり刺激的でしょう。
ただ、タリスカーは甘味や酸味もあわせ持ちます。1度ハマれば抜け出すことができないのではないでしょうか。
ぜひ1度、飲んでみてください。