宮城峡の種類と味|おすすめの飲み方も紹介

宮城峡

宮城県仙台市から西へ約25kmのところにあるニッカウヰスキー宮城峡蒸溜所。ここで造られているのが「宮城峡」です。

ここでは、宮城峡の種類とそれぞれの味わい、おすすめの飲み方を紹介します。また、歴史や製法などを解説します。

宮城峡の種類

宮城峡の種類を紹介します。種類ごとに味わいが異なるので、それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。

宮城峡の種類一覧

商品種類アルコール
度数
容量価格帯
宮城峡シングルモルト宮城峡シングルモルト45%700ml約4,500円
宮城峡10年シングルモルト宮城峡10年シングルモルト45%700ml25,000円~
宮城峡12年シングルモルト宮城峡12年シングルモルト45%700ml50,000円~
宮城峡15年シングルモルト宮城峡15年シングルモルト45%700ml150,000円~
宮城峡 リミテッドエディション2019シングルモルト宮城峡
リミテッドエディション2019
シングルモルト48%700ml45,000円~
宮城峡 ピーテッドシングルモルト宮城峡
ピーテッド
シングルモルト48%700ml22,000円~
宮城峡 シェリーカスクシングルモルト宮城峡
シェリーカスク
シングルモルト48%700ml70,000円~
宮城峡 モスカテルウッドフィニッシュシングルモルト宮城峡
モスカテルウッドフィニッシュ
シングルモルト46%700ml40,000円~
宮城峡 マンサニーリャウッドフィニッシュシングルモルト宮城峡
マンサニーリャウッドフィニッシュ
シングルモルト48%700ml45,000円~
宮城峡 アップルブランデーウッドフィニッシュシングルモルト宮城峡
アップルブランデーウッドフィニッシュ
シングルモルト47%700ml30,000円~
シングルモルト宮城峡1988シングルモルト宮城峡1988シングルモルト50%700ml
シングルモルト宮城峡1989シングルモルト宮城峡1989シングルモルト50%700ml500,000円~

シングルモルト宮城峡

宮城峡
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数45%
容量700ml
価格帯約4,500円

『シングルモルト宮城峡』は宮城峡の定番ボトルです。

年齢表記のないノンエイジでありながら、アルコールの刺激は控えめ。洋梨やリンゴを彷彿とさせるフルーティな香りとモルティーな味わいを堪能できます。ウイスキーを飲み慣れていない女性にも人気な商品です。

りんごや洋梨のようなフルーティーさ、甘さ華やかな花の香り。ドライフルーツのようなスイートさ、なめらかな口当たり。麦の甘さ、ほのかなビター感のある余韻が特長です。

シングルモルト宮城峡10年

宮城峡10年
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数45%
容量700ml
価格帯25,000円~

『シングルモルト宮城峡10年』は先ほど紹介したノンエイジよりもワンランク上のボトルです。

ノンエイジを飲んだときに感じたアルコールの刺激は皆無。ワンランク上とはいえ、クオリティは別格です。

ひとたび口に含むと、優しい洋梨をはじめとし、紅茶やハチミツのような香りが広がります。また、バニラの甘みと青リンゴのようなスッキリとした味わいを楽しむことができるでしょう。

シングルモルト宮城峡12年

宮城峡12年
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数45%
容量700ml
価格帯50,000円~

『シングルモルト宮城峡12年』は、宮城峡の中でもボディの厚みが特徴的なボトルです。

口に含んだときのコクと甘みの深さは一級品。杏子やイチゴジャムのような香りをはじめとし、かすかなスモーキー感を感じることができます。

また、バニラのような味わいの後に続く、深い甘みとカカオの苦みも魅力の一つでしょう。

シングルモルト宮城峡15年

宮城峡15年
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数45%
容量700ml
価格帯150,000円~

『シングルモルト宮城峡15年』は、宮城峡の中でもシェリー樽由来のレーズンを強く感じられるボトルです。

円熟味を求めるなら15年。飲むと同時に濃縮されたカカオやオーク、ドライレーズンのような香りが口いっぱいに広がります。

ナッツやバニラ、メイプルシロップのような甘みも感じられます。

シングルモルト宮城峡 リミテッドエディション2019

宮城峡 リミテッドエディション2019
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数48%
容量700ml
価格帯45,000円~
販売数量700本限定

『シングルモルト宮城峡 リミテッドエディション2019』は、宮城峡の50周年を記念して発売された限定ボトルです。

こちらの商品は1960年代・1970年代・1980年代・1990年代・2000年代の宮城峡蒸留所で造られたモルト原酒を厳選し、ヴァッティングしています。

長期熟成を経たシェリーのような甘い香り。カシューナッツのような滑らかな味わい。ほのかなピートの余韻が特長です。

シングルモルト宮城峡 ピーテッド

宮城峡 ピーテッド
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数48%
容量700ml
価格帯22,000円~

『シングルモルト宮城峡 ピーテッド』は、ピーテッドモルト原酒だけを使用し造られた数量限定品のウイスキーです。

宮城峡モルトの特徴であるエレガントな華やかさはそのままに、ピートと調和した宮城峡モルトの芳醇な甘み、しっかりとしたボディ感を楽しめます。

蜂蜜や熟した果実を思わせる濃厚な⽢い⾹り。レーズン、ドライチェリーのような⽢さと、軽快でありながらしっかりとしたピート感が調和した味わい。きりっとしたピートの余韻が特長です。

シングルモルト宮城峡 シェリーカスク

宮城峡 シェリーカスク
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数48%
容量700ml
価格帯70,000円~
販売数量3,000本限定

『シングルモルト宮城峡 シェリーカスク』は、『シングルモルト宮城峡』の個性をより強調したウイスキーです。

スペインの酒精強化ワインであるシェリーの貯蔵に使われた樽を使って熟成させた“シェリー樽熟成原酒”のみを厳選してヴァッティングしています。

深みのあるリッチなシェリー樽の香りとレーズンのような甘い香り。麦芽の香ばしさとふくらみのある味わいが特長です。

シングルモルト宮城峡 モスカテルウッドフィニッシュ

宮城峡 モスカテルウッドフィニッシュ
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数46%
容量700ml
価格帯40,000円~

『シングルモルト宮城峡 モスカテルウッドフィニッシュ』は、ワイン造りで使われたモスカテル樽に約1年間貯蔵・熟成させて造られたウイスキーです。

マスカットを思わせるフレッシュな香りとモルトの香ばしさ。樽の香りと調和したフルーティーな味わい。樽のビターさと甘くコクのある長い余韻が特長です。

シングルモルト宮城峡 マンサニーリャウッドフィニッシュ

宮城峡 マンサニーリャウッドフィニッシュ
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数48%
容量700ml
価格帯45,000円~

『シングルモルト宮城峡 マンサニーリャウッドフィニッシュ』は、通常の熟成後にシェリーのマンサニーリャを50年間熟成させていた樽で、18か月間貯蔵・熟成させたウイスキーです。

ドライフルーツや、ココナッツ、ミルクチョコレートを思わせる甘い香り。まろやかな甘さとやわらかな苦みが調和した味わい。マンサニーリャ樽由来の少しほろ苦い余韻が特長です。

シングルモルト宮城峡 アップルブランデーウッドフィニッシュ

宮城峡 アップルブランデーウッドフィニッシュ
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数47%
容量700ml
価格帯30,000円~

『シングルモルト宮城峡 アップルブランデーウッドフィニッシュ』は、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝と妻リタの結婚100周年を記念して発売された限定ボトルです。

『シングルモルト宮城峡』を通常の熟成後に、アップルブランデーを28年間以上熟成させていた樽で約6か月間さらに熟成させています。

落ち着いたウッディな樽の香りと甘く華やかな香り。フレッシュなりんごのみずみずしさ、フルーツケーキを思わせる甘酸っぱい味わい。樽のほろ苦さと甘さが、シナモンのようなスパイシーさとともにゆっくり続く余韻が特長です。

シングルモルト宮城峡1988

シングルモルト宮城峡1988
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数50%
容量700ml
価格帯
販売数量1,500本限定

『シングルモルト宮城峡1988』は、1988年に貯蔵された4タイプの長期熟成モルトを厳選し、丁寧に混和(バッティング)した一品です。

宮城峡モルトの特性である華やかさを活かすために、アルコール度数を樽出し度数よりやや低めの50%に設定することで、華やかでフルーティーな香りと、深い味わいを実現しています。

シングルモルト宮城峡1989

シングルモルト宮城峡1989
原産国日本
種類シングルモルト
アルコール度数50%
容量700ml
価格帯500,000円~

『シングルモルト宮城峡1989』は、1989年に20年以上熟成した、4タイプのモルトウイスキーを丁寧に混和(バッティング)したウイスキーです。

全体を含む暖かい甘い樽熟成の香り、苔むした岩を流れる清流のミントやハーブのような爽やかな味わい、長期熟成のコクのある甘さと宮城峡原酒ならではのまろやかな口当たりを楽しめます。

宮城峡おすすめの飲み方

宮城峡でノンエイジ以外を飲むことはほとんどないでしょう。終売となっている商品が多く、ネット上ではかなりの高値で取引されているからです。

そのため、ここではノンエイジの宮城峡のおすすめの飲み方を紹介します。

水割り

水割り

水割りは、アルコール度数が下がるとともに、口当たりも軽くなって飲みやすくなります。宮城峡ならではの甘みも感じられるでおすすめの飲み方です。

水割りを作る際は、必ずミネラルウォーターを使ってください。水道水は不純物が入っているので、ウイスキーの香りやコクを阻害してしまいます。

作り方
  1. グラスいっぱいに氷を入れます。
  2. ウイスキーを適量注ぎます。
  3. ミネラルウォーターを注ぎます。(ウイスキー1:天然水2~2.5)
  4. マドラーでしっかり混ぜます。
  5. 完成。

ハイボール

ハイボール

お酒に強くない方は、ソーダで割って飲むハイボールがおすすめ。炭酸の爽やかな口当たりで、すっきりしていて料理にも合わせやすい飲み方です。

少し風味を付けたい場合は、レモンピール(レモンの皮を遠くから絞り香りだけつける方法)がおすすめです。

作り方
  1. グラスいっぱいに氷を入れます。
  2. ウイスキーを適量注ぎます。
  3. マドラーでしっかり混ぜ、ウイスキーを冷やします。
  4. ソーダを氷にあてないよう注ぎます。(ウイスキー1:ソーダ3~4)
  5. マドラーをタテに1回混ぜます。
  6. 完成。

宮城峡について

宮城峡は、宮城県仙台市にある宮城峡蒸留所で製造され、アサヒビールが販売しています。

ここでは宮城峡の歴史や特徴、製法について解説していきます。

宮城峡の歴史

宮城峡蒸留所が設立されたのは高度成長期まっただ中。

第一次ベビーブームに生まれた世代が成人になり、飲酒が可能になったことや洋酒貿易が自由化されたことでウイスキーの需要が高まっている頃でした。

その後、1969年に蒸溜所が稼働。

当時では珍しい製造における機械化や自然保護活動にも力をいれており、1983年と1986年には緑化優良工場として通商産業大臣賞を受賞しています。

竹鶴政孝は自然のおかげでおいしいウイスキーが造れると考えていたため、このように自然を大切にしていたのでしょう。

そして1989年、「シングルモルト余市」とともに「シングルモルト宮城峡」が発売されました。

発売から現代まで多くのコンテストで金賞に輝き、世界中から人気を集めています。

宮城峡の特徴

宮城峡は、力強い余市とは対照的に華やかでフルーティな香りが特徴的なウイスキーです。

竹鶴政孝はこの余市と宮城峡の違いを徹底的にこだわり抜いたと言われています。

余市はハイランドの蒸溜所を彷彿とさせるピーティで潮っぽい味わいを表現し、宮城峡にはローランドの蒸溜所を彷彿とさせる華やかで繊細な味わいを求めました。

その結果、宮城峡は非常に飲みやすくなり、ウイスキーの苦手な女性からも多くの人気を集めています。

宮城峡の製法

宮城峡蒸留所にはバルジ型ポットスチルが初留4基、再留4基の計8基が設置されています。

この余市蒸溜所と比べても、大型のバルジ型ポットスチルはヘッドの表面積が丸く、大きいため、還流が起こって重い成分が上昇しにくいという特徴があります。そのため、軽やかな香味成分だけを取り出すことができるのです。

また、石炭直火焚きせずにスチーム加熱式という間接加熱法を用いることでスッキリとした味わいに仕上げています。

宮城峡の華やかで繊細な味わいはこのような製法から生みだされたのです。

まとめ

宮城峡は他のジャパニーズウイスキーと比較しても、かなり飲みやすく、初心者にも人気があるウイスキーです。ただし、終売になっているものが多く、ネット上での価格もかなり高騰しています。

「シングルモルト 宮城峡」は簡単に手に入れることができるので、味が気になる方は購入してみてはいかがでしょうか。るでしょう。

ノンエイジではありますが、宮城峡の魅力を知るには十分です。

余市ウイスキー
竹鶴