世界五大ウイスキーのひとつに数えられるアメリカンウイスキー。アメリカンウイスキーと言えばトウモロコシを原料とするバーボンをイメージする人がほとんどではないでしょうか。
そのバーボンの中でも、ラベルに描かれた七面鳥のイラストで、日本でも馴染みが深いのが「ワイルドターキー」です。
今回は、ワイルドターキーの種類とそれぞれの味わい、おすすめの飲み方を紹介します。また、歴史や製法などを解説します。
ワイルドターキーの種類
ここでは販売中のボトルに加え、終売となっているワイルドターキーを紹介していきます。
ワイルドターキーの種類一覧
| 商品 | 種類 | アルコール 度数 | 容量 | 価格帯 | |
|---|---|---|---|---|---|
| | ワイルドターキー8年 | バーボン | 50% | 700ml | 約3,000円 |
| | ワイルドターキー スタンダード | バーボン | 40% | 700ml | 約2,000円 |
| | ワイルドターキー 13年 ディスティラーズ・リザーブ | バーボン | 45.5% | 750ml | 6,000円~ |
| | ワイルドターキー ライ | ライウイスキー | 40.5% | 700ml | 約3,000円 |
| | ワイルドターキー レアブリード | バーボン | 58.4% | 700ml | 4,000円~ |
| | ワイルドターキー ケンタッキースピリット | バーボン | 50.5% | 750ml | 7,000円~ |
| | ワイルドターキー マスターズキープ リバイバル | バーボン | 50.5% | 750ml | 16,000円~ |
| | ワイルドターキー マスターズキープ コーナーストーン | バーボン | 54.5% | 750ml | 19,000円~ |
| | ワイルドターキー マスターズキープ ボトルドインボンド | バーボン | 50% | 750ml | 16,000円~ |
| | ワイルドターキー アメリカンハニー | リキュール | 35% | 700ml | 約2,500円 |
ワイルドターキー 8年

| 原産国 | アメリカ |
|---|---|
| 種類 | バーボン |
| アルコール度数 | 50% |
| 容量 | 700ml |
| 価格帯 | 約3,000円 |
「ワイルドターキー 8年」は、ワイルドターキーが誕生した当時から、今も変わらない変わらない製法、8年熟成、アルコール度数50%で造られています。
アルコール度数が高いにもかかわらず、繊細な味わいが楽しめ、アメリカ合衆国の歴代大統領も愛したバーボンウイスキーです。
クロコダイル・スキンによる深い琥珀色と甘みとコクのバランスがとれた味わいが特徴です。
ワイルドターキー スタンダード

| 原産国 | アメリカ |
|---|---|
| 種類 | バーボン |
| アルコール度数 | 40% |
| 容量 | 700ml |
| 価格帯 | 約2,000円 |
「ワイルドターキー スタンダード」は、6年・7年・8年熟成の原酒のブレンドによるバランスの良さが特徴です。
アルコール度数も40%に抑えられているため、やわらかな口当たりで飲みやすく仕上がっています。しかし、ワイルドターキーらしい濃厚で芳醇な香りはしっかりと味わうことができます。
ワイルドターキー 13年 ディスティラーズ・リザーブ

| 原産国 | アメリカ |
|---|---|
| 種類 | バーボン |
| アルコール度数 | 45.5% |
| 容量 | 700ml |
| 価格帯 | 6,000円~ |
ワイルドターキーの専属として60年以上の実績を持つマスターディスティラーの「ジミー・ラッセル」と、その息子の「エディー・ラッセル」が造り出したケンタッキー・ストレート・バーボンの最高峰が「ワイルドターキー13年 ディスティラーズ・リザーブ」です。
長期熟成による円熟した味わいのなかに、複雑で繊細なテイストや香りを感じることができます。
ワイルドターキー ライ

| 原産国 | アメリカ |
|---|---|
| 種類 | ライウイスキー |
| アルコール度数 | 40.5% |
| 容量 | 700ml |
| 価格帯 | 約3,000円 |
「ワイルドターキー ライ」は、原料にライ麦を51%以上も使用したライウイスキー。
そのため、甘み控えめでライ麦由来のスパイシーさが特徴で、バーなどでは、ウイスキーベースのカクテルに使われることも多くあります。
ワイルドターキー レアブリード

| 原産国 | アメリカ |
|---|---|
| 種類 | バーボン |
| アルコール度数 | 58.4% |
| 容量 | 700ml |
| 価格帯 | 4,000円~ |
「ワイルドターキー レアブリード」は、6年・8年・12年熟成させた原酒をブレンドしたものを、一切加水せずにボトリングしています。
アルコール度数は約58.4%で、これはワイルドターキーが原料の風味を活かすため、低アルコール度数での蒸溜にこだわっていることから生み出すことできるのです。
数量限定生産で、1本1本のボトルにはバッチナンバーが記載されています。
ワイルドターキー ケンタッキースピリット

| 原産国 | アメリカ |
|---|---|
| 種類 | バーボン |
| アルコール度数 | 50.5% |
| 容量 | 750ml |
| 価格帯 | 7,000円~ |
「ワイルドターキーケンタッキースピリット」は、マスターディスティラーのジミー・ラッセルとエディー・ラッセル親子が、8年以上熟成させた原酒樽のなかから厳選したシングルバレルの特別なバーボンです。
ボトルには、ボトリングされた日付と貯蔵所、樽のナンバーが手書きで記載されています。
ワイルドターキー マスターズキープ リバイバル

| 原産国 | アメリカ |
|---|---|
| 種類 | バーボン |
| アルコール度数 | 50.5% |
| 容量 | 750ml |
| 価格帯 | 16,000円~ |
「ワイルドターキー マスターズキープリバイバル」は、12~15年熟成の原酒をブレンドして、オロロソシェリーの樽で仕上げの熟成を行っています。
使用される樽は、エディー・ラッセル自らがスペインを訪問して、20年もののシェリー樽を厳選。シェリー樽特有の甘い香りを感じることができます。
ワイルドターキー マスターズキープ コーナーストーン

| 原産国 | アメリカ |
|---|---|
| 種類 | バーボン |
| アルコール度数 | 54.5% |
| 容量 | 750ml |
| 価格帯 | 19,000円~ |
「ワイルドターキー マスターズキープ コーナーストーン」は、ワイルドターキー史上、最も熟成期間が長いライウイスキーです。
9~11年の長期熟成した原酒の樽からマスターディスティラーのエディー・ラッセルが厳選し仕上げたライウイスキーです。
ワイルドターキー マスターズキープ ボトルドインボンド

| 原産国 | アメリカ |
|---|---|
| 種類 | バーボン |
| アルコール度数 | 50% |
| 容量 | 750ml |
| 価格帯 | 16,000円~ |
「ワイルドターキー マスターズキープ ボトルドインボンド」は、ボトルドインボンド法に従って、17年熟成の原酒だけを使用した希少なバーボンです。
ボトルドインボンド法とは、かつてアメリカで施行されていたウイスキーに関する法律です。一つの蒸溜所で、その年その季節に蒸溜された原酒のみを、100プルーフ(50度)でボトリングすると言うものです。
ワイルドターキー アメリカンハニー

| 原産国 | アメリカ |
|---|---|
| 種類 | リキュール |
| アルコール度数 | 35% |
| 容量 | 700ml |
| 価格帯 | 約2,500円 |
「ワイルドターキー アメリカンハニー」は、ワイルドターキーに純粋なハチミツをブレンドしたリキュールです。
ハチミツのやさしい甘みとワイルドターキーの特徴であるスムーズで深みのある味わいをバランスよく感じます。
アルコール度数は35%と抑えられていて、そのままストレート、オンザロック、ソーダ割といろいろな飲み方を楽しめます。
ワイルドターキおすすめの飲み方
ここでは、ワイルドターキーおすすめの飲み方を紹介します。
ロック

ワイルドターキー本来の香りと味わいを楽しむならロックがおすすめです。
ロックを飲むときは、チェイサーを用意しておきましょう。
- グラスに大きめの氷を入れます。
- ウイスキーを適量注ぎます。
- マドラーで軽く混ぜます。
- 完成。
ハイボール

アルコール度数の高い「ワイルドターキー 8年」もソーダで割るハイボールであれば、飲みやすくなります。
- グラスいっぱいに氷を入れます。
- ウイスキーを適量注ぎます。
- マドラーでしっかり混ぜ、ウイスキーを冷やします。
- ソーダを氷にあてないよう注ぎます。(ウイスキー1:ソーダ3~4)
- マドラーをタテに1回混ぜます。
- 完成。
マンハッタン

ウイスキーベースのカクテルにオススメの「ワイルドターキー ライ」は、マンハッタンで飲むのがおすすめです。
マンハッタンは、スイートベルモットとビターズを使用しているため、甘さの中にほろ苦さを感じられるウイスキーカクテルです。
- ミキシンググラスに下記材料を入れ、ステアします。
- ワイルドターキー 45ml
- スイートベルモット 20ml
- アロマティックビターズ 2滴
- 氷
- カクテルグラスに注ぎます。
- マラスキーノチェリーを飾ります。
- 完成。
ミントジュレップ

バーボンウイスキーを使用したウイスキーカクテルとして有名なミントジュレップ。
ほんのりとした甘さと、ミントのさわやかな香りを活かした飲み方です。
- グラスにミントの葉とガムシロップ(15ml)を入れます。
- ソーダまたはミネラルウォーター(20ml)を注ぎ、ミントを軽くつぶすようにステアします。
- ワイルドターキー(45ml)を注ぎます。
- ステアしながらクラッシュドアイスを2~3回に分けて入れます。
- 最後に山のようにクラッシュドアイスをもって、ミントを飾ります。
- 完成。
ワイルドターキーについて
ここでは、ワイルドターキーの歴史や名前の由来などを詳しく解説します。
ワイルドターキーの歴史
「ワイルドターキー」を製造販売するのは、オースティン・ニコルズ社。1855年に食料品卸売業者として創業して、ワインや蒸溜酒の販売を始めました。
1939年、食品卸業から撤退して、お酒の製造販売を専業としていました。当時は自社で蒸溜所を所有せず、蒸溜所から購入した原酒をブレンドして作ったウイスキーを販売していました。
1970年になってリピー蒸溜所を買収。以降は自社でウイスキーの蒸溜から行っています。
リピー蒸溜所は、1869年にトーマス・リピーがケンタッキー州ローレンスバーグに創業した家族経営の蒸溜所です。
1893年には、リピー蒸溜所で作られたバーボンウイスキーが、シカゴで開催されたワールドフェアでケンタッキー州代表になるなど、その当時から品質の高いバーボンを製造していました。
ワイルドターキーの名前の由来
「ワイルドターキー」の名前の由来は、1940年当時のオースティン・ニコルズ社のオーナーだったトーマス・マッカーシーが、毎年恒例で行っていた七面鳥ハンティング。
そのとき、仲間たちに振舞ったバーボーンが好評で、仲間の一人が七面鳥にちなんで「ワイルドターキー」と呼び始めたのがきっかけ。
その名をトーマス・マッカーシーが気に入って名づけられたと言われています。
ワイルドターキーこだわりの原料
ワイルドターキーは原料となる穀物の選定に、独自の厳しい基準を設けているのです。
たとえば、トウモロコシはケンタッキー州とインディアナ平野で生産されたもの、大麦はモンタナ州、ライ麦はドイツ産など、これらの基準をクリアしたものだけが原料に選ばれます。
ワイルドターキーの原料に使用されるトウモロコシは、ケンタッキー州とインディアナ平野で生産されたもの、大麦はモンタナ州、ライ麦はドイツ産と、独自に設けた厳しい基準にあったものが選ばれています。
基準は、成熟度や純度、水分含有率、安全性と多岐にわたり、年4回に分けて徹底的にテストを行っています。その高いハードルをクリアしたものだけが、ワイルドターキーの原料として使われているのです。
ワイルドターキー蒸溜所があるケンタッキー州のこの地域の地盤は、石灰岩層(ライムストーン)で形成されています。
ワイルドターキーの仕込みに使われるのは、「ライムストーン・ウォーター」と呼ばれる鉄分やミネラルを含まない水です。
蒸溜所の地下85メートルからくみ上げられるライムストーンでろ過された水が、ワイルドターキーのクリアな味わいを支えています。
ワイルドターキーの製法
原料となる厳選された穀物は、粉砕後にマッシュにして大きな発酵樽へ移され、そこで酵母とすでに蒸溜されたマッシュの残液が加えられます。
使用される酵母は、60年以上も受け継がれてきた自家製の酵母菌株から作られたもの。発酵の工程はすべて、マスターディーラーが厳密に管理によって行われています。
発酵の工程を終えたマッシュは、高さ12メートル、直径1.2メートルある円筒形のコラム・スチルに注がれ1回目の蒸溜が行われます。
このとき、コラム・スチルで凝縮されたアルコール度数は約55%。次にダブラーという蒸溜器で、クレンジングと呼ばれる2回目の蒸溜が行われ、アルコール度数60~65%のニュー・ウイスキーが仕上がります。
アメリカのバーボン法では、蒸溜時のアルコール度数は80%以下と定められています。しかし高いアルコール度数では、原料が持つ風味が失われてしまうことから、あえて60~65%と低いアルコール度数に押さえられているのです。
そうすることで、スムースさとフルボディのバランスが優れたワイルドターキーの特徴である味わいを作り出しています。
蒸溜した原酒は、樽詰めされて長い熟成の時を過ごします。このとき使われる樽は、アリゲーター・チャーという最も強く焦がす焼き方をしたアメリカンホワイトオークの樽。
この樽の加工は、樽の内側がワニ革に似た表面となることからクロコダイル・スキンとも呼ばれ、ワイルドターキーの特徴である深い琥珀色とコクのある味わいを生み出しています。
まとめ
ワイルドターキーは、低アルコール度数での蒸溜にこだわっているため、原料本来の風味をしっかりと感じることができるバーボンです。
バーボン以外にもラインナップされていますので、ぜひいろいろと味わってみてください。
















