都会的で洗練されたイメージの「I.W.ハーパー」は、日本でも圧倒的な人気を誇るバーボンウイスキーです。
ライトでスムースな味わいで、バーボンの中でも非常に飲みやすいので、初心者の人でも気軽に楽しめます。
今回は、I.W.ハーパーの種類とそれぞれの味わい、おすすめの飲み方を紹介します。また、歴史や製法などを解説します。
I.W.ハーパーの種類
I.W.ハーパーの種類を紹介します。種類ごとに味わいが異なるので、それぞれの特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
I.W.ハーパーの種類一覧
商品 | 種類 | アルコール 度数 | 容量 | 価格帯 | |
---|---|---|---|---|---|
![]() | I.W.ハーパー ゴールドメダル | バーボン | 40% | 700ml | 約2,000円 |
![]() | I.W.ハーパー 12年 | バーボン | 43% | 750ml | 約5,000円 |
![]() | I.W.ハーパー 15年 | バーボン | 43% | 750ml | 10,000円~ |
![]() | I.W.ハーパー プレジデントリザーブ | バーボン | 43% | 750ml | - |
![]() | I.W.ハーパー 101 | バーボン | 50.5% | 750ml | - |
I.W.ハーパー ゴールドメダル

原産国 | アメリカ |
---|---|
種類 | バーボン |
アルコール度数 | 40% |
容量 | 700ml |
価格帯 | 約2,000円 |
I.W.ハーパーゴールドメダル は、I.W.ハーパーのスタンダードボトルです。
I.W.ハーパーは、原料に86%以上トウモロコシを使用しています。そのため強い甘みと繊細な香りと味わいが特徴です。
軽い飲み口で、ストレートやロックはもちろん、ハイボールやカクテルもおすすめです。
I.W.ハーパー 12年

原産国 | アメリカ |
---|---|
種類 | バーボン |
アルコール度数 | 43% |
容量 | 750ml |
価格帯 | 約5,000円 |
I.W.ハーパー 12年 は、「バーボンに長期熟成は意味がない」といわれ、4~6年熟成が定番だったなか、世界初の12年熟成をしたプレミアムバーボンです。
フレッシュな柑橘系、ハチミツやバニラの甘い香り。プレミアムバーボンらしいボリューム感とスムースな味わいが特徴です。
I.W.ハーパー 15年

原産国 | アメリカ |
---|---|
種類 | バーボン |
アルコール度数 | 43% |
容量 | 750ml |
価格帯 | 10,000円~ |
I.W.ハーパー 15年 は、高度な技術と徹底した熟成管理によって、15年という長期熟成を実現しています。
熟成によってバーボン特有のクセのある味わいが抑えられて、深いコクとまろやかな口当たりで、12年同様に独特のデキャンタボトルに入っています。
現在、日本にI.W.ハーパーを輸入するキリンビールでは扱いがないため、並行輸入品をインターネット通販などで入手するしかありません。
I.W.ハーパー プレジデントリザーブ

原産国 | アメリカ |
---|---|
種類 | バーボン |
アルコール度数 | 43% |
容量 | 750ml |
価格帯 | - |
バーボンが誕生した年であり、アメリカ初代大統領が就任した1789年。その200周年記念として1989年にリリースされたプレミアムボトルが、I.W.ハーパー プレジデントリザーブです。
ボトルが入れられた化粧箱には、アメリカ大統領の象徴である白頭鷲が描かれています。ノンエイジですが、長期熟成させた原酒を使っていることから、スムースな口当たりの中にも複雑な味わいが楽しめます。
I.W.ハーパー 101

原産国 | アメリカ |
---|---|
種類 | バーボン |
アルコール度数 | 50.5% |
容量 | 750ml |
価格帯 | - |
I.W.ハーパー 101 は、アルコール度数が101アメリカンプルーフと言う意味です。通常のアルコール度数でいうと50.5度となり、他のI.W.ハーパーに比べて高めになっています。
既に生産終了となっているため、ネットオークションなどでしか入手することが困難な非常にレアなI.W.ハーパーです。
I.W.ハーパーおすすめの飲み方
ここでは、I.W.ハーパーのおすすめの飲み方を紹介します。
ストレート

氷を入れず常温で飲むストレートは、I.W.ハーパー本来の香りや味わいを楽しむことができます。
ストレートはアルコール度数が高いので、チェイサーを用意しておきましょう。
ロック

ロックは香りは落ち着きますが、冷やすことで口当たりをよくするとともに、アルコールの刺激を和らげてくれる飲み方です。
使用する氷は、小さなものだと溶けやすいので、溶けにくい大きめの氷を使います。できれば表面積の少ない丸い氷がおすすめです。
ハイボール

お酒に強くない方は、ソーダで割って飲むハイボールがおすすめ。炭酸の爽やかな口当たりで、すっきりしていて料理にも合わせやすい飲み方です。
少し風味を付けたい場合は、レモンピール(レモンの皮を遠くから絞り香りだけつける方法)がおすすめです。
- グラスいっぱいに氷を入れます。
- I.W.ハーパーを適量注ぎます。
- マドラーでしっかり混ぜ、I.W.ハーパーを冷やします。
- ソーダを氷にあてないよう注ぎます。(I.W.ハーパー1:ソーダ3~4)
- マドラーをタテに1回混ぜます。
- 完成。
I.W.ハーパーについて
I.W.ハーパーは、アメリカ合衆国のケンタッキー州で造られるバーボンウイスキーです。誕生してから140年以上に渡り、アメリカはもちろん世界各国で愛飲されています。
ここでは、そんなI.W.ハーパーの歴史や製法について解説していきます。
I.W.ハーパーの歴史
I.W.ハーパーが誕生したのは1877年。当時のアメリカでは、品質の悪いウイスキーが多く出回っていました。
そんな中、ドイツ生まれでペンシルバニアの行商人だったアイザック・ウォルフ・バーンハイムは弟のバーナードと共に、品質にこだわってウイスキーを完成させました。
彼は、そのウイスキーに自分のイニシャルである「I.W」と親友のフランク・ハーパーの名前からI.W.ハーパーと名づけたのです。
I.W.ハーパーは、1885年に開催されたニューオーリンズ万国博覧会で金賞を受賞。その後もさまざまな博覧会で5つの金賞を獲得したことから、ゴールドメダルと呼ばれるようになりました。今でもI.W.ハーパーのラベルには5つのゴールドメダルが描かれています。
I.W.ハーパーが、アメリカで広く支持を集めたのには、広告戦略においても優れていたことも理由のひとつです。1950年代には、広告塔として「籐のステッキを持ったシルクハットの紳士」を登場させました。
それにより、どちらかというとワイルドなイメージが強かったバーボンの中で、I.W.ハーパーは都会的で洗練されたイメージを確立したのです。
I.W.ハーパーの製法
I.W.ハーパーは、ケンタッキー州ルイビルにあるヘブンヒルバーンハイム蒸留所で造られています。アメリカで1・2を争う生産量を誇る蒸留所です。
I.W.ハーパーを含めて、一般的にバーボンは次のような製法の特徴があります。
ホワイトオークの新樽で熟成
内側を焦がしたホワイトオークの新樽で、最低2年以上熟成させます。
樽の内側を焦がすことで褐色に色づき、原酒にバーボンの特徴である赤みを帯びた色合いが生まれます。
サワーマッシュ製法
バーボンを造る工程の中で、一番の特色とされるのがサワーマッシュ製法です。
サワーマッシュ製法は、蒸留の際に生じる蒸留残液の上澄みを、新しく糖化させようとするコーンなどの仕込み水に25~30%ほど加える方法です。
これによって発酵がゆっくり時間をかけて進んで、香り高い発酵液となります。
バーボンウイスキーの定義
バーボンウイスキーは、アメリカのケンタッキー州を中心に造られているアメリカンウイスキーの種類です。
アメリカの連邦規則集(Code of Federal Regulations:略称CFR)には、ウイスキーの原料と使用する比率が定められてます。
バーボンは主原料のトウモロコシを51%以上使用するとされています。また、内側を焦がしたオークの新樽で熟成されるなどの決まりもあります。
そもそもバーボンという名称は、フランスのブルボン朝に由来します。
アメリカの独立戦争の時に支持したフランスに対して、後の大統領トーマス・ジェファーソンが感謝の気持ちとしてケンタッキー州の郡のひとつに「バーボン郡」と名づけました。そして、この郡で造られるウイスキーをバーボンと呼ぶようになったのです。
なお、バーボンを主に造っていたのはアイルランド系のアメリカ人だったため、アメリカではアイリッシュウイスキーと同様に、ウイスキーを「whiskey」と書きます。一方でスコッチウイスキーは「whisky」で、「e」の文字が入りません。
まとめ
今回は、日本で人気のバーボンウイスキー「I.W.ハーパー」について解説しました。
粗悪なバーボンが幅をきかせていた時代に品質にこだわり、様々な博覧会で金賞を受賞するなど、創業者のこだわりが伝わってくるウイスキーです。
バーボンについて知りたい方は、飲むべきウイスキーでしょう。
※ロックを飲むときは、チェイサーを用意しましょう。