あなたのお宅には、飲まずに置いてあるウイスキーはありませんか?
ウイスキーはいつまでおいしく飲めて、10年も20年も前の古いウイスキーは飲んでも大丈夫なのか。
今回は、ウイスキーの賞味期限や未開封と開封後の保存方法について解説します。
ウイスキーに賞味期限はあるの?
多くの食品や飲料品には、賞味期限や消費期限が記載されています。ウイスキーに賞味期限はあるのでしょうか。
容器や袋などを開けずに、記載された保存方法で保存した場合に「品質が変わらずにおいしく食べたり飲んだりできる期間」のことです。
ウイスキーの賞味期限
蒸留酒であるウイスキーは、アルコール度数が高いため、腐敗せず長期間安定した品質を保つことができます。
そのため、法律で製造年月日や賞味期限の記載は義務付けられていません。
しかし開封してしまったものや、未開封でも保存状態が悪かったものは、本来の味や香りを失ってしまう可能性があります。
では、どのようにウイスキーを保存すれば良いのか、開封前・開封後それぞれの保存方法を紹介します。
未開封ウイスキーの保存方法
ウイスキーは未開封で保存状態が良ければ、長期間の保存が可能です。ここでは、未開封のウイスキーの品質をキープする保存方法を紹介します。
直射日光が当たらない冷暗所で保存
ウイスキーは、アルコール度数が高いため品質が安定しているとは言っても、保存する際には直射日光のあたる場所や、高温になる場所は避けるようにしましょう。
ビールの瓶は、ほとんどが濃い茶色や緑色をしています。また同様に多くの日本酒や乙類焼酎も色が着いた瓶に詰められています。
これは紫外線にあたることにとって品質が劣化するのを防ぐためです。また栄養ドリンクも、含まれているビタミンが紫外線により壊れるのを防ぐため、茶色の瓶で売られています。
ウイスキーは、ビールや日本酒、焼酎に比べてアルコール度数が高く、紫外線による変化は少ないですが、保存する際には直射日光が当たらないような冷暗所で保存するようにしましょう。
購入時に木箱や紙箱に入れられていたウイスキーの場合は、箱に入れたまま保存すると日光を遮ることができます。
箱に入っていないウイスキーや、箱を捨ててしまった場合には、ちょうど良い大きさの箱を利用するか、新聞紙などに包んで保管してもかまいません。
湿度が高くなるような場所は避ける
瓶に詰められたウイスキーは、湿度の高い場所で保存しても、品質が変化はすることはあまりありません。
しかし湿度が高い場所で長期間保存した場合、瓶の外側やラベルにカビが生える可能性があります。このカビの匂いがウイスキーをグラスに注ぐ際に移ってしまうことがあります。
ウイスキーの味わい方にとって、香りも重要な要素です。瓶の外側とはいえカビが生えるような湿度の高い場所での保存は避けるようにしましょう。
コルク栓の場合の注意ポイント
コルクは、柔軟性や弾力性があり、瓶を密閉できるため、古くからワインやウイスキー、ブランデーなどのお酒の栓として利用されています。
しかし天然の素材のため、長期間保存すると収縮してしまい次のような状態になることがあります。
- 瓶とコルクに隙間ができ、ウイスキーが漏れ出したり、蒸発して量が少なくなる。
- コルクの弾力性が失われてしまい、もろくなって栓が開けにくくなる。
瓶を寝かせた状態で保存した場合、瓶とコルクの隙間からウイスキーが漏れる可能性がありるので、コルク栓のウイスキーは立てた状態で保存するようにしましょう。
開封後のウイスキーの保存方法
未開封であれば、品質や味・香りが変わることなく長期間保存できるウイスキーですが、開封した後では、どのくらいの期間保存ができるのでしょうか。
未開封と開封後のウイスキーの違い
未開封の状態のままのウイスキーは、密閉状態が保たれているため長期間風味が変わらず保存することができます。
しかし一度開封してしまうと、しっかりと栓を閉めたとしても、少しずつ品質が劣化していきます。
その理由は次の通りです。
- 瓶の中のウイスキーの容量が減って、空気に触れる部分が増える。
- 瓶と栓のわずかな隙間から、アルコール成分が蒸発してしまう。
結果、そのウイスキーが持つ本来の香味バランスが徐々に崩れてしまいます。したがって、ウイスキーを開封したらできるだけ早めに飲み切ってしまうようにしましょう。
開封後のウイスキーを保存するコツ
小瓶に移す
ウイスキーの品質が変化する主な原因は空気に触れることです。
開封して飲みかけのウイスキーは、小瓶に移し替えて保存すると、空気に触れる面積を減らして品質の劣化を少なくすることができます。
移し替える小瓶を選ぶ時には、しっかりと栓ができる密閉性の高い瓶を選ぶようにします。また移し替える前には、煮沸消毒など行って匂いや雑菌を取り除いてから使うようにしましょう。
プライベート・プリザーブを使用する
プライベート・プリザーブとは、もともとワインを保存する時に使用する商品です。
無味、無臭、無害のガスで、飲みかけのウイスキーの瓶の中に充満させるだけで、ウイスキーが酸素に触れるのを防いでくれます。
ガスの主な成分は窒素で、窒素はポテトチップスやかつお節、お茶などの袋の中にも酸化防止として封入されてるいので安全です。
パラフィルムを使用する
パラフィルムは、主に実験室や研究室などで、フラスコやキュベットといった容器を密閉させるために使用されている製品です。
伸縮性が高く、気密性に優れているためウイスキーを保存する際にもおすすめです。
使い方は、ウイスキー瓶の栓をしっかりと閉めてから、栓の部分にパラフィルムを伸ばしながら巻きつけます。
粘着性はありませんが、ラップのようにしっかりとくっついて、はがすときも簡単です。
ラップと比較して気密性が高く、アルコールによる変質もほとんどないパラフィルムは、バーなどお酒を専門に扱うお店でも使用されています。
ウイスキーは長期間保存すると瓶の中で熟成するの?
ウイスキーは、木製の樽に詰められ貯蔵して熟成させます。これにより、ウイスキーの色が独特の美しい琥珀色に変化して、味わいに深みが出て、芳醇な香りになります。
そして一番おいしい状態の時に、瓶に詰められて出荷されます。
瓶の中で熟成することはないため、瓶に入ったウイスキーを長期間保存しても、さらに熟成することはありません。
どんなに保存状態が良くても、少しずつ品質が変化することもあります。未開封のウイスキーであっても、できるだけ早く飲むようにしましょう。
まとめ
蒸留酒であるウイスキーは、アルコール度数が高いため開封していなければ、本来の風味や香りを保ったまま何年間も保存することができます。
しかし、ウイスキーは一番おいしい状態で瓶に詰められっ出荷されています。寝かせておいても、さらにおいしくなることはないので、早めに飲むようにしましょう。