グレングラントとは?種類・味わい・おすすめの飲み方

グレングラント

スコッチウイスキーの中でも、グレングラントはその名を高く持つ銘柄の一つです。

多くの愛好者を魅了するその理由は、何なのでしょうか。

この記事では、グレングラントの深い歴史から、その蒸留所の魅力、そして取り扱われている商品の紹介まで、詳しくご案内いたします。

グレングラントとは

スコッチウイスキー「グレングラント」の風味を一層味わい深くするためには、その背後にある歴史を知ることが重要です。その興味深い歴史を紐解いていきましょう。

グレングラントの歴史

グレングラントはスコッチウイスキーの歴史に深く根ざしており、その始まりは1840年まで遡ります。

スコットランドのスペイサイド地方の小さな町ロセスにある蒸留所は、ジェイムズとジョンのグラント兄弟によって設立されました。

弟ジョンは、アベラワーで蒸留技師として働いていた経験。対して兄ジェイムズは、ダンデライスという蒸留所を運営していたので互いに蒸留に関する知識を持っていました。

この知識と手近な天然資源をもとに、彼らは後にスコットランドを代表するブランドのひとつとなる礎を築いたのです。

グラント兄弟の死後、ジョン・グラントの甥であるジェイムズ・グラントがグレングラント蒸留所を継承します。

彼はグレングラントを近代化し、町だけでなく蒸溜所にもスコットランド初の電気照明を導入した。これによりグレン・グラントは夜間操業が可能となり、生産量が増加したのです。

1880年代後半にスコットランドとアイルランドの全てのウイスキー蒸溜所を訪問したアルフレッド・バーナードは、グレン・グラント蒸溜所を訪問した時に「14馬力と24馬力の2台の蒸気エンジンがあり、ダイナモ(発電機)を回して得られる電気を蒸溜所内とオーナーであるMajor Grant(グラント大佐)の邸宅の照明に使っている。北スコットランドの製造業で初めてのことである」と記している。

引用:Ballantines – 稲富博士のスコッチノート

さらに、グレングラントの代名詞ともいえる、首の細長いポットスチルと精溜器を開発して導入します。

これらの技術革新は、他の多くのウイスキーよりも軽快で果実味豊かなウイスキーを生み出す上で大きな役割を果たしました。

1897年には新たな蒸溜所「グレングラントNo.2」を建設。しばらくは家族経営を続けますが、1953年にグレンリベットと合併。

その後オーナーは何度か変わり、シーグラム社(1977年)、ペルノ・リカール社(2001年)。そして現在は、カンパリ社(2006年)が所有しています。

グレングラントはイタリア市場に進出しており、軽やかでフローラルな味わいはイタリア人の味覚に共鳴し、イタリアで最も売れているシングルモルトとなっています。

グレングラント蒸留所について

蒸留所名グレングラント蒸留所
エリアスペイサイド
設立1840年
仕込み水グレングラント川
所有者カンパリ・グループ社
蒸溜所ツアーあり
公式サイトhttps://www.glengrant.com/

グレングラントの製法

グレングラントの製法のポイントは主に2つあります。それは「仕込み水」と「ポットスチル」です。

この仕込みに使用されるのは、蒸溜所の近くに流れるグレングラント川の水で、黒い色をしており「ブラックバーン」と呼ばれています。

この色は、折り重なるピートの層を潜り抜ける過程でピートの色が移ったもの。一見不気味に思うブラックバーンの水ですが、実はグレングラントの清冽な風味に大きく関わっています。

さらに、グレングラント蒸溜所の特徴的なスチルは、一般的なバルジ型のスピリットスチルと仏舎利塔のような変わった形のウォッシュスチルが使用されています。

この細長く、背の高いポットスチルを利用すると、雑味を含んだ重いスピリッツの蒸気は上昇せず、ピュアで軽いスピリッツのみが抽出されます。

さらに、それぞれのスチルに付いている精溜器(Purifier)も特徴的で、この軽い蒸気のみを採取することができます。

精溜とは、繰り返し蒸溜して分離をよくする操作で、アルコールの蒸気が精溜器の銅に触れることで、出来上がるスピリッツは華やかでフルーティーになると言われています。

この組み合わせにより、エレガントで果物のような香りのグレングラントの風味が引き出されています。

グレングラントの主な種類と味わい

グレングラントの代表的な商品を紹介します。

グレングラント 5年

グレングラント 5年

グレングラント5年は、イタリアで非常に人気の高いボトルです。イタリア人の味覚に合ったことで、大変な人気を獲得しています。

このボトルは、柑橘系や青りんごの繊細なフルーティさ、麦芽シリアルの香ばしさを特徴としており、さらにレモンピールやカカオのビターさも感じることができます。

軽やかで爽やかな印象が、特に温暖な気候のイタリアでの飲用には最適とされており、その人気は一時、日本の酒屋でも取り扱われていたほどです。

グレン グラント 10年

グレングラント 10年

グレングラント 10年は、グレングラント蒸溜所のフラッグシップボトルです。

10年間熟成させたこのウイスキーは、明るくフルーティーで爽やかなハウススタイルを完璧に表現しています。

口に含むと、リンゴや洋ナシのような果樹園の果実の風味が広がり、フィニッシュは長く複雑です。

バランスの取れたウイスキーで、初心者にも熟練した愛好家にも最適でしょう。

グレングラント 12年

グレングラント 12年

ノンピートの大麦麦芽を原料とし、12年以上熟成した原酒を使用しているボトルです。

蜂蜜、バニラ、アーモンド、熟したオレンジ、フレッシュなリンゴなどの複雑で豊かな香味が絶妙に混ざり合い、口に含むとハニートーストやローストしたアーモンド、麦芽クッキーやキャラメルの甘みが広がります。

さらに、オレンジの皮のような微かな苦味や、心地よいオークフレーバーが余韻として残ります。

グレングラント 15年

グレングラント 15年

グレングラントらしいフルーティー・ナッティーという特徴を引き継ぎながらも、ファーストフィルのバーボン樽で15年間熟成されたボトルです。

アルコール度数50%のバッチストレングスとノンチルフィルタードという製法により、凝縮感と芳醇なテクスチャーが得られています

ウイスキーの色は黄金のような小麦色。香りは、デリケートなフローラル、フレッシュレモン、リンゴ、ハニーデューメロンが感じられる。さらに、スパイスやバニラ、アプリコットジャムといった複雑な味わいが楽しめます。

グレングラント 18年

グレングラント 18年

ノンピートの大麦麦芽を使用し、18年以上熟成した原酒を瓶詰している。

輝きのある黄金色を持ち、スムースで親しみやすい飲み口に、リッチな甘さと華やかな香味が特徴です。主にバーボン樽を使用した熟成プロセスがこの独特の味わいを生み出しています。

ウイスキー評論家として有名なジム・マレーの著書「ウイスキーバイブル」では、スコッチ・オブ・ザ・イヤーに選ばれるなど、世界中で高く評価されている逸品です。

グレングラント21年

グレングラント 21年

グレングラント 21年は、マスターディスティラーであるデニス マルコム氏が究極のクオリティを追求した結晶です。

オロロソシェリー樽とバーボン樽の2つのタイプの原酒が用いられ、蒸留所で最も伝統のある石造りの倉庫、4番倉庫でさらに熟成を重ねました。

ノンチルフィルタード製法を用いていることで、香味成分を取り除かないため味わいが原酒のように深い仕上がりとなっているのが特徴です。

グレン グラント 25年

グレングラント 25年

グレングラント25年は、通常のバーボン樽での熟成に続き、シェリー樽で追熟されたボトルです。

この独特の製法により、シェリー酒の影響を大きく取り入れた豊かな風味となっており、ヘザーハニーの香りやフルーティーなレーズンの味わい、さらにフィニッシュには微かなピートの香りも感じることができます。

この25年熟成のウイスキーは、1981年のチャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚を記念してリリースされた「ロイヤルウェディングリザーブ」として知られ、世界でわずか800本のみの限定リミテッドエディションとして販売された逸品です。

グレングラント アルボラリス

グレングラント アルボラリス

ラテン語で「木漏れ日」を意味するアルボラリス。そのソフトでスムースな口当たりと穏やかな優しさが特徴的なウイスキーです。

シェリー樽とバーボン樽で熟成させた2つの原酒をヴァッティング。

シェリー樽由来のフルーティーな味わい。乾燥レーズン、スイカズラ、レモンシトラスといった香り。

バーボン樽由来のバニラやオーク、バタースコッチ、そしてライトなスパイスの風味が調和され、スペイサイドらしい甘さと複雑さを持ったウイスキーに仕上げられています。

グレングラントのおすすめの飲み方

グレングラントのおすすめの飲み方をいくつか紹介します。

ストレート

ストレートはウイスキー愛好家に好まれる飲み方です。グレンケアンのようなチューリップ型のグラスにウイスキーを注ぐと、芳醇な香りをより感じられます。

一口飲む前に、色と香りをじっくり味わう。ウイスキーが口中を覆うのを待つことで、フレーバーの深みと幅を十分に味わうことができます。

水を数滴加える

数滴の水を加えることで、ウイスキーのアロマとフレーバーがさらに広がります。

特にアルコール度数の高いウイスキーの場合、水を加えることで味わいがよりなめらかになり、飲みやすくなります。

常温の水を使い、ゆっくりと味を確かめながら好みの濃さになるよう加えてください。

オン・ザ・ロック

氷を入れることでウイスキーがより爽やかになり、アルコール度数も若干弱まるので、ウイスキーの強さに少し圧倒される人も飲みやすくなるでしょう。

ただし、薄めすぎたり冷やしすぎたりすると、ウイスキーの繊細な香りが隠れてしまうことがあるので注意が必要です。。

カクテル

古いタイプのウイスキーは、ストレートか水割りで楽しむのが一般的ですが、若いタイプのウイスキーは、さまざまなカクテルのベースとして使うことができます。

古典的なスコッチベースのカクテルには、ロブ・ロイ、ラスティ・ネイル、あるいはスコッチベースのオールド・ファッションドなどがあるので、試してみてはいかがでしょうか。