クライヌリッシュとは?種類・味わい・おすすめの飲み方

クライヌリッシュ

スコッチウイスキーの中でも、特に個性的な味わいを持つ「クライヌリッシュ」は、独自の製法と深い味わいで多くの人々を魅了しています。

この記事では、蒸留所の歴史や特色、そして豊富な商品ラインナップについて紹介します。

ウイスキー好きな方はもちろん、これからの季節にぴったりの一杯を探している方も、ぜひお読みください。

クライヌリッシュとは

スコッチウイスキー「クライヌリッシュ」の風味を一層味わい深くするためには、その背後にある歴史を知ることが重要です。その興味深い歴史を紐解いていきましょう。

クライヌリッシュの歴史

クライヌリッシュ蒸溜所は、1819年に初代サザーランド公爵によって設立されました。

スコットランドの大地主であった公爵は、大規模な牧羊のために地元の農家を沿岸部に移転させるという野心的なプロジェクトを完了したばかり。

彼は、この新しく人口が増えた沿岸地域の経済活動を刺激するために蒸留所を設立したのです。

クライヌリッシュは当初、モルトウイスキーを製造し、特に人気の高いジョニーウォーカー・ゴールドラベルのブレンドによく使われていました。

数十年の間に蒸溜所の所有者はさまざまに変わりましたが、19世紀後半にウイスキーブームが到来するまでは比較的小規模な経営が続きました。ウイスキーの需要は急増し、クライヌリッシュはそれに追いつくために規模を拡大します。

20世紀初頭は、第一次世界大戦や米国の禁酒法、世界大恐慌など、さまざまな要因によって多くの蒸溜所にとって困難な時期。第二次世界大戦中は大麦不足のため閉鎖したものの、蒸溜所はこうした経済の嵐を乗り切ったのです。

戦後、再び繁栄が訪れ、1967年に新しい蒸留所が敷地内に新設され、「クライヌリッシュ」の名は、こちらの蒸留所が引き継ぎます。古い蒸留所には「ブローラ」という名前が付けられましたが、1983年に閉鎖されてしまいました。

新設された蒸留所で造られたウイスキーは、伝統的なスタイルを継承しており、海岸沿いという立地を反映した、海塩とスモークを感じさせる果実味で知られています。

この特徴的なスタイルにより、クライヌリッシュはブレンダーの間で人気を博し、シングルモルトとして高く評価されているのです。

クライヌリッシュ蒸留所について

蒸留所名クライヌリッシュ蒸留所
エリアハイランド
設立1819年
仕込み水クラインミルトン川
所有者ディアジオ社
蒸溜所ツアーあり
公式サイト

クライヌリッシュの特徴

クライヌリッシュは、個性的で魅力的なシングルモルトウイスキーを製造することで知られています。

蒸留所はスコットランドのハイランド地方にある海岸沿いの町ブローラに位置し、そのウイスキーはこの地域の特徴的な土地の特性を反映した複雑な個性を表現しています。

クライヌリッシュの最大の特徴は、その蝋のような質感です。この蝋のような質感が生み出される工程は企業秘密であり、未だに詳細な情報は明らかになっていません。

謎を秘めた工程で造られたスピリッツはリッチでオイリーな味わいになり、クライヌリッシュの特徴である、なめらかで口の中をコーティングするような感覚を生み出しているのです。

香りの面では、ハチミツ、フルーツ、海洋の影響を感じさせる香り。ハチミツのような甘みには、ほのかな柑橘系の酸味が伴うことが多く、果実味はリンゴや洋ナシなどの果樹園の果実から、パイナップルやマンゴーなどのトロピカルな香りまで幅広い。

蒸溜所が沿岸部にあるため、ウイスキーにはほのかな塩味と塩辛さが加わり、スモークやピートの穏やかなニュアンスも感じられます。

クライヌリッシュは全体的に、その独特の蝋のような特徴、豊かで複雑な風味、滑らかで口当たりのよいテクスチャーで有名です。

クライヌリッシュの主な種類と味わい

クライヌリッシュの代表的な商品を紹介します。

クライヌリッシュ 14年

クライヌリッシュ14年

クライヌリッシュのスタンダードボトルです。14年間熟成され、アルコール度数46%でボトリング。

ハチミツ、新鮮なフルーツ、ほのかな海塩とスモークの香りが特徴で、バランスの取れた風味が広く評価されています。

クライヌリッシュのハウススタイルを代表する一品で、ハイランド地方の沿岸部のエッセンスを体現しています。

クライヌリッシュ 14年 「花と動物シリーズ」

クライヌリッシュ14年 花と動物シリーズ

クライヌリッシュ 14年 「花と動物シリーズ」は、スタンダードボトルである「クライヌリッシュ 14年」が販売される前のスタンダードボトルでした。

UD社(現ディアジオ社の前身となる企業)が保有する蒸留所の原酒をシングルモルトとしてリリースしたものです。

2000年代前半に生産が休止されており、現在ではレアなボトルです。

クライヌリッシュ セレクト リザーブ 1stリリース

クライヌリッシュ セレクト リザーブ 1stリリース

ジョニー・ウォーカーのマスターブレンダー、ジム・ベバリッジ博士によって造られた限定品です。数量限定でリリースされたボトルのため、2,964本しか販売されていません。

5種類のカスクタイプを組み合わせたカスクストレングスです。

樽の構成
  • アメリカンオーク(ファーストフィル、リフィル、リジュヴェネイティッド)
  • ヨーロピアンオーク(リフィル、ボデガ)

熟成年数は原酒によって異なるため、記載されていません。

ウイスキーのネット通販で世界一といわれるWebサイト「The Whisky Exchange」の記事には、”最も若い熟成年数が16年であることは分かっている”との記載があります。

味わいは複雑で、スパイシーなオークの香りが最後まで続く。クラシックなクライヌリッシュの特徴をより複雑に表現したこのボトルは、コレクターや愛好家の間で人気の高い一品です。

クライヌリッシュ 12年 オフィシャル WHISKYTECA EDWARD & EDWARD

クライヌリッシュ 12年 オフィシャル WHISKYTECA EDWARD & EDWARD

1960年代に蒸留され、1970年代にボトリングされたハイプルーフのウイスキーです。アルコール度数は56.9。

ボトリングから50年以上経った現在も、樽の特徴を失わない香味を維持しています。

このボトルはウィスキーコレクターのエドワード・ジャッコーネ氏と彼が運営していた「ウイスキーテカ」のための特別リリースで、バイカラーラベルとホワイトラベルの2種類が存在します。

香りは、麦芽のフレッシュさ、ライムやオレンジ、アプリコット、グレープフルーツの柑橘系や、クルミの香ばしさを感じることができ、階層化されて段階的に変わっていきます。

口に含むと、オレンジピール、甘草、マーマレード、焼きプディングの絶妙な組み合わせと、アプリコットや木苺ジャムの甘み、さらにナッツの質感を楽しめます。

余韻は、麦芽、ピート感、そしてミントキャンディが織り成す長く深い余韻に満ちています。

クライヌリッシュ ダブルマチュアード

クライヌリッシュ ダブルマチュアード

ドイツのボトラー”アランビッククラッシュ社”がリリースした21年熟成の特別なボトルです。

このボトルは、まずファーストフィルのバーボン樽で熟成し、その後スパニッシュブランデー樽で6年間更に熟成させたダブルマチュア―ドセレクションとなっています。

この熟成工程により、香りには樽由来のバニラ香と焼きリンゴの甘酸っぱさ、そしてフルーティーな要素が豊富に感じられます。

口に含むとオイリーでワクシーな飲み口が特徴的で、洋ナシやリンゴの甘酸っぱさが際立ち、それに加えてヘビーなオレンジジャムの甘みが加わり、深みとコクをもたらしている。

フィニッシュでは、温かみのあるビターなフレーバーが長く続き、余韻にはその豊かさを存分に楽しむことができます。

クライヌリッシュ 20年 200周年ボトル

クライヌリッシュ 20年 200周年ボトル

クライヌリッシュの200周年を記念して2019年にリリースされたボトルです。創業年である1819年にちなんで、限定1,819本で販売されました。

熟成には6種類のヨーロピアンオークのシェリー樽が使用され、アロマにはオレンジのような柑橘系の香りや蜜蝋のようなミネラル感、若干の薬品の香りが広がります。

口当たりはオイリーで、麦の甘みや樽由来のタンニン、茶葉のフレーバーが際立ち、スパイシーさと酸味が絶妙に調和しています。

クライヌリッシュの豊かな伝統を象徴するこのウイスキーは、コレクターにとっても愛好家にとっても貴重な存在です。

クライヌリッシュのおすすめの飲み方

クライヌリッシュのおすすめの飲み方をいくつか紹介します。

ストレート

クライヌリッシュ 14年は、ストレートで飲むのに最適なウイスキーです。

甘み、果実味、海洋性のバランスが取れているため、ニュアンス豊かな風味をダイレクトに味わうことができます。

常温でグレンケアングラスやウイスキータンブラーに注いで飲むと、アロマとフレーバーが広がります。

オン・ザ・ロック

氷を入れることでウイスキーがより爽やかになり、アルコール度数も若干弱まるので、ウイスキーの強さに少し圧倒される人も飲みやすくなるでしょう。

ただし、ウイスキーのフレーバーやアロマが弱くなることもあります。そのため、ウイスキーが強すぎてストレートで楽しめない場合にのみおすすめします。

加水する

数滴の水を加えることでフレーバーが開き、ウイスキーがより親しみやすくなり、隠れたニュアンスが見えてきます。

常温の水を使い、ゆっくりと味を確かめながら好みの濃さになるよう加えてください。

カクテル

クライヌリッシュは、スコッチをメインスピリッツとするカクテルにも使用できます。

その独特の特徴は、ロブ・ロイやラスティ・ネイルのようなクラシックなカクテルに複雑さを加えます。

ハチミツ、柑橘類、ハーブ・リキュールなど、補完的な材料を試してみると、驚くような楽しい結果が得られるでしょう。